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40代の転職論

転職1回目は+100万、2回目は+200万。何が違ったのか

2回の転職で年収を上げました。1回目は550万から650万へ、2回目は800万から1,000万へ。

先に書いておきます。この差を作ったのは、私の交渉術ではありません。相手側の事情です。

1回目は求めていた人材が見つかっていない会社に当たり、2回目は「第一志望ではない」と相手が知っていました。どちらも、こちらが上手くやった結果ではありません。

年収がどう動いたか

まず数字を並べます。

年収
1社目(新卒入社・約10年)〜550万円
転職550万 → 650万+100万
2社目(約10年)650万 → 800万社内昇給 +150万
転職800万 → 1,000万+200万
3社目・現職(5年目)1,000万 → 1,200万社内昇給 +200万

太字が転職のタイミングです。ここで一気に動いています。

ただし転職だけで上がったわけではありません。移った先で働き続けても上がっています。転職と昇給はどちらか一方を選ぶ話ではありません。

1回目の+100万は、カジュアル面談のつもりで行った場で決まった

1回目の転職は、子供が生まれて働き方を見直したくて動きました。新卒で入った会社に約10年いて、初めての転職です。

使っていたのはワークポートで、企業からスカウトが届く形でした。興味を持った会社があったので、どういう会社か話を聞くつもりで会いに行きます。カジュアル面談だと思っていました。

行ってみると、社長、取締役、開発者の3人が出てきました。その会社はC/C++が書ける人を探していて、なかなか見つけられていない状態だったようです。

話しているうちに、社長から「ぜひうちに来てほしい」という話になります。どうしても来てもらいたい、という側に立たれたので、提示されていた条件がそのまま通りました。 +100万です。

その場で即答はしていません。「家族と話してから結論を伝えます」と言って帰った記憶があります。

引き出したのではなく、通った

正確に書いておきます。私が交渉して+100万にしたわけではありません。 相手が強く採りたいと思った結果、先に出ていた条件がそのまま成立しました。

順序が逆です。条件を上げてもらったのではなく、上がった条件が最初から置いてあったということです。

だから「+100万は出る」とは書けない

ここを一般化しないほうがいいと思っています。

この+100万が出たのは、その会社が人を見つけられていなかったからです。同じ経歴を、人が足りている会社に持っていっても同じ数字にはなりません。

自分の側でやったことがあるとすれば、ひとつだけです。同じ業種の中だけで探すのをやめたこと。 範囲を広げたから、人が足りない場所に当たりました。この話は会社を小さくしたのに年収は上がったに書いています。

上がり幅は自分の腕前ではなく、相手の需給で決まります。

2回目の+200万も、事情が2つ重なった

2回目は40代での転職でした。子供の中学受験が近く、教育費のために年収を上げる必要がありました。

このときは条件を伝えています。ただ、+200万になった理由はそれだけではありません。

事情1:給与の形が変わった

前の会社は年俸制で、月々の支給額が高い形でした。転職先の提示は賞与込みの額面です。額面年収が上がっても、そのままだと月々の手取りは下がります。

面接で希望を聞かれたときに、そのことを伝えました。

月々の収入が減ると困る。

結果として、ベースの月給を上げてもらえました。これは伝えた効果だと思っています。詳しくは年俸制から月給制へに書きました。

事情2:第一志望ではないと、相手が知っていた

こちらのほうが大きかったはずです。

内定は3社出ていました。転職先は、自分たちが第一志望ではないことを知っていました。 そのうえで、第一志望に勝つために条件を積んできています。

つまり**+200万は、相手が競争していた結果**です。私が粘って引き出した数字ではありません。

選考が1社しか進んでいなければ、この事情は発生しません。比較する相手がいないので、条件を積む理由がないからです。

複数の選考を同時に進めていたことが、そのまま金額になりました。 サービスの使い方は転職サービスにまとめています。

それでも、伝えるならオファーの前

相手の事情が主因だとしても、こちらでやれることはあります。条件を伝えるタイミングです。

面接で「希望はありますか」と聞かれる場面があります。オファーの金額は、その場で聞き取った希望をもとに作られます。 数字が出てくる前に条件を入れておくほうが効きます。

出てきた数字を後から動かすのは大変です。「交渉」という言葉から想像する場面、つまりオファー面談での駆け引きは、もう手遅れに近いと感じました。

1回目でこれをやらなかったのは事実です。ただ、やっていても結果は変わらなかった可能性が高い。 提示が先に決まっていたからです。

月額と額面は別物

もうひとつ、額面年収だけを見ていると気づけないことがあります。年俸制と月給制では、同じ額面でも手元に入る現金の出方が違います。

年俸制は年俸をほぼ均等に月割りするので月額が高くなります。月給制+賞与は月額が低く、賞与で埋める形です。しかも賞与は業績で変わります。同じ額面なら、月給ベースが高いほうが読みやすい。

オファーを比べるときは、額面だけでなく月額と賞与の割合まで見たほうがいいと思います。

社内で上がる速さも、会社によって違った

転職のジャンプばかり見ていましたが、移った先での伸び方にも差がありました。

期間上がった額年あたり
2社目約10年+150万約15万
3社目5年+200万40万超

スキルが急に伸びたわけではありません。変えたのは業種だけです。

2社目は中小企業の自社ソフトウェア開発、3社目は大手SIerで自動車業界の担当です。ソフトウェア人材の採用が過熱していた時期に移りました。需要が集中している場所では、入ってからの上がり方も速いというのが実感です。

入社時の提示額だけで転職先を選ぶと、この差が見えません。

振り返って思うこと

2回を並べると、こう整理できます。

  • 1回目の+100万は、相手が人を見つけられていなかったから。 私は何も要求していない
  • 2回目の+200万は、相手が第一志望に勝とうとしたから。 内定が3社あったことがそのまま条件になった
  • 自分でやれたのは、伝えるタイミング(オファーが作られる前)だけ

つまり、金額を動かしたのは交渉術ではなく、相手の状況です。

そのうえで、自分の側から相手の状況に働きかける方法は2つあります。

  1. 人が足りていない場所を選ぶ(需給が緩い場所では、条件は最初から高く出る)
  2. 複数の選考を同時に進める(比較されている状態が、相手に条件を積ませる)

どちらも、面接室での話し方ではありません。その前の段階で決まっています。

進める順番は進め方に、40代での転職が実際どうだったかは40代エンジニアの転職は本当に厳しいのかに書きました。

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