作ったものは書類に1行書くだけでは伝わらない。何をどう書いたか
個人開発を職務経歴書に書くとき、アプリ名と一言の説明だけでは読まれません。
40代の転職で入社先が反応したのは個人開発でした。ただ、書けば自動的に伝わったわけではありません。何を書くかで、面接で掘られるかどうかが変わります。
書くのは3つです。何を解決したか、何を新しく習得したか、どこまで完遂したか。
伝わらない書き方
最初に書いたのはこういう形でした。
個人開発:地図上にデータを表示するアプリを Flutter で作成
事実は合っています。ただ、読み手にとっては情報がありません。何が難しかったのかも、どこまでやったのかも分からないからです。
この書き方だと、面接で質問が来ません。質問が来なければ、そこに時間は割かれません。書類は読まれるためではなく、聞かれるために書きます。
1. 何を解決したか
作った理由を書きます。機能の説明ではありません。
時刻つきの位置データを地図に重ねて追える形が手元になく、表計算のファイルを見比べる作業になっていた。それを解消するために作った。
こう書くと、相手はその課題設定が妥当かどうかを判断できます。技術ではなく、課題の立て方を見せる部分です。 40代の応募でここが弱いと、手を動かせるだけの人に見えます。
2. 何を新しく習得したか
ここが一番効きました。業務で使っている技術か、そうでないかを明示します。
業務では使っていない Flutter と Dart を選んだ。地図まわりでは、住所から緯度経度を求める処理を新しく覚えた。
入社先の面接で実際に聞かれたのは「それは業務で使っている技術ですか」でした。違うと答えたところから話が続いています。
つまり、新しく覚えたことを書いておくと、そこが質問の入口になります。 逆に業務の延長で作ると、この入口ができません。作るものを選ぶ段階から効いてくる部分です。
持っていた知識と、新しく覚えたことを混ぜない
ここで気をつけたのは、もともと持っていた知識を「新しく学んだ」側に書かないことです。
私は仕事で、緯度経度を平面直角座標に変換する処理を扱っていました。だから地図まわりには土地勘があります。そこは新しく覚えたことではありません。
実際に手が止まったのは別の場所でした。地図サービスをそのまま使う分には座標の変換は要らず、必要になったのは住所から緯度経度を求める処理のほうです。持っている知識の隣にある、けれど持っていなかったところでした。
書類でここを混ぜると、面接で崩れます。掘られたときに答えられるのは、実際に詰まった場所だけです。 逆に、隣接した知識があったから短期間で作れたという説明は、そのまま経験の裏づけになります。
3. どこまで完遂したか
作りかけか、公開まで行ったかを書きます。
ストアの審査を通して公開済み。アイコン、プライバシーポリシー、審査対応まで一人でやった。
完遂していると、設計と実装以外の工程を経験したことになります。そこは業務では分業されていることが多く、一人でやった経験のほうが珍しい。 詳しくは作りかけを見せないに書きました。
分量は「業務外の活動」を独立させて確保する
職務経歴書の中では、業務経歴の末尾に押し込まれがちです。私は独立した項目として立てました。
- 業務要約
- 業務経歴(会社ごと)
- 技術
- 業務外の活動(ここに個人開発)
理由は2つあります。業務経歴の中にあると業務の一部に見えること、そして40代の応募で「まだ手を動かしているか」を示すのがこの項目だけだからです。
要約の書き方も含めて、書類全体の方針はマネジメントとスペシャリスト、どちらで応募するかに書きました。
画面は見せる相手を選ぶ
作ったものは、見せられるなら見せたほうが早い。ただし応募先との面接は、ほとんどオンラインで完結しました。 40代での転職では、企業の面接官に実機を見せる場面はありません。書類と口頭の説明だけです。
実機を見せたのは、いま進めている3回目の調査でのことです。転職サービスの担当者と対面で面談したときに、作っているアプリをその場で触ってもらいました。担当者は企業に推薦する側なので、触った実感をそのまま言葉にできます。見せる相手として現実的なのは、面接官ではなくこちらのほうです。
つまり順序はこうなります。書類で聞かれる状態を作り、口頭で説明できるようにしておく。 実機はその補強であって、前提にはできません。サービスの担当者との面談をどう使うかは転職サービスに書いていきます。
まとめ
- アプリ名と一言では読まれない。聞かれるために書く
- 書くのは3つ。何を解決したか/何を新しく習得したか/どこまで完遂したか
- 「業務で使っていない技術」を明示すると、そこが質問の入口になる
- 業務外の活動は独立した項目として立てる
なぜ個人開発が効いたのかは40代の個人開発は転職で評価されたに、書類全体の進め方は進め方に書いています。